イスラム教の断食月 『ラマダンの注意点と楽しみ方』
さてマレーシア、5月27日から”ラマダン(断食)”に入りました。イスラム教徒は、個人の宗教モラルによって日中の断食と禁欲を行います。日没から日の出までのあいだに1日分の食事をとるのです。
この時期、オフィス街など人が多く集まるエリアの歩道という歩道には軒並み屋台が連なり(ラマダンマーケット)、日没後の食事を買い求める人で大賑わい。
また、多くの大型ホテルやレストランではラマダンビュッフェが開催されます。
ラマダンの時期にしか見かけることのないマレーシア料理やお菓子もいっぱい。もちろんイスラム教徒以外でも気軽に参加できますが、食事開始はムスリムと同じように日没を待つのが最低限のマナーです。
その他ショッピングモールではラマダンセールが行われたり、イベントスペースでマレーシアの伝統芸能が披露されたり、この時期にしか楽しめないイベントがたくさん。
でもやっぱり、気をつけないといけないこともいくつかあります。
イスラム教徒(ムスリム)にとって、日没後の食事(ブカプアサ)はとても大切。夜は自由に飲食ができる幸せな時間です。
・ランチタイムにはムスリムと同じ部屋で飲食をしない
・公共の場での食べ歩きをしない
・夜なるべく残業をさせない
などの配慮も時には必要。
多くのムスリムが友人や親戚、家族と食卓を囲もうと、17時前から帰宅ラッシュの大渋滞が始まります。空腹による眠気やイライラから事故が多発したり、雨が重なったりすると更に渋滞がひどくなるので、この時期夜の移動は早めがベター。
また、断食によって、国全体の生産性が落ちます。すべての政府系サービスが特にスローになるため、ビザの申請や通関の処理など役所関係の手続きはこの時期を避けるのが暗黙のルール。
1ヶ月のラマダンを終えると、マレーシア最大の祝日ハリラヤ・プアサが待っています。
今年は6月の25日・26日(イスラム暦は1年が354日の太陰暦を使用するため、ラマダンの時期は毎年11日ずつずれていきます)
ほとんどのムスリムが田舎に帰省するので、街はとっても静かなのですが、ショッピングモール内であってもお休みする店が多いので、祝日といえどもあまり観光には向きません。
ですが、首相官邸で食事が振る舞われたり(「オープンハウス」)、花火が上がったり。多くの人が新しい服を着て家族・親戚や知人宅を訪れたり、家の大掃除をしたりと、まさに日本のお正月のよう。国をあげてのお祝いムードを一緒に楽しむのも多民族国家の醍醐味ですね!
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