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パリの穴場スポット、プチミュゼ巡りでアート三昧
芸術の秋が到来。パリにはルーヴルやオルセーなど、珠玉の名作を集めた大美術館から、個人のコレクションを展示した美術館まで、大小さまざまな美術館がいっぱい。有名な美術館もいいけれど、貴族の邸宅や画家のアトリエを改装したプチミュゼ巡りがマイブーム。絵画や美術品を鑑賞しつつも、空間そのものがアートでフォトジェニック。その場所に行くことで当時の世界にタイムスリップしたかのような、ひと味違う美術鑑賞が楽しめます。行くとクセになる、何度でも通いたくなるプチミュゼの魅力。パリの旅が数倍楽しくなる、おすすめのアドレスをご紹介します。
■ギュスターヴ・モロー美術館 Musee Gustave Moreau
モンマルトルの丘のふもとにあるパリ9区の住宅街にひっそりと佇むこちらの美術館は、19世紀の象徴主義を代表する画家、ギュスターヴ・モローの邸宅兼アトリエを改装した美術館。歩くたびにミシミシと床が鳴る少しカビ臭い古びた建物、チョコレート色の壁面をぎっしり埋め尽くすように並べられた作品群。聖書やギリシャ神話の場面を描いた幻想的でロマンティックな彼の作品は、その濃厚な色彩と独特の空間美もあいまって、思わず身震いがするほど迫力満点。水彩画や油絵以外にも彼の書斎や居間、寝室なども公開されていて、どの部屋にも壁にはたくさんの絵画と写真が飾られています。上の写真は、この美術館のシンボル的スポットである美しいらせん階段。ここからの眺めも見どころのひとつです。
■ロマンティック美術館 Musee de la Vie Romantique
パリ9区の閑静な住宅地に佇むロマンティック美術館。とある本でこの美術館の存在を知ったとき、「なんて可愛い名前なんだ!」と一瞬で興味を掻き立てられました。ロマン主義の画家、アンリ・シェフェールが住んでいたお屋敷を改装したこの場所は、19世紀の画家、ドラクロワや音楽家のショパン、文豪ヴィクトール・ユゴーなどロマン派の芸術家たちのサロンとして有名だったそう。邸宅には、同じく19世紀のフランス女流作家で、初期のフェミニストとしても知られるジョルジュ・サンドに関するコレクションや、当時の調度品、家具などが展示されています。美術鑑賞のあとは、バラの花が咲く庭園&サロン・ド・テへ。手作りのケーキや紅茶が本当に美味しく、庭園も静かでひっそりとした雰囲気。この場所がパリジャンのデートスポットとしても人気、というのも納得。間違いなくリピートしたい、お気に入りの場所になりました。
■カルナヴァレ美術館 Musee Carnavalet
中世の面影を残すマレ地区にある貴族の館、カルナヴァレ美術館。もともとはパリ市議会の議長の邸宅として建設されたルネサンス様式のお屋敷で、1677年から1696年にはパリ社交界の花形であったセヴィ二エ夫人が住んでいたことでも知られています。100室もある展示室には、フランス革命に関する貴重品や、革命当時の市民の生活が知れる絵画や当時の街並みを飾ったかわいらしいお店の看板、ルイ16世とマリーアントワネットの遺品など、パリの歴史に関する興味深い展示でいっぱい。手入れの行き届いたフランス式庭園も見どころで、時間があればベンチに座ってまったりと過ごすのがおすすめ。「パリで一番パリらしい美術館」と言われているこの美術館は、企画展以外は入場料無料。この街の歴史と変遷を知ることでパリマニアになれる、上級者向けのアドレスです。